スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

嘘か誠かの話

ある一人の男がいた。
 その男は嘘つきだった。
 毎日色んな嘘をついた。
 息を吸う様に嘘をつき、息を吐く様に嘘をついた。
「何故あなたは嘘をつくのですか?」
「嘘をつかなければ死んでしまうのです」
 まるっきりの嘘だった。
 
 周りの人々はその男から離れていき、男はそれでも嘘をつき続けた。
 
 ある日、男は病気になった。
 街に出て、嘘をついていたら、急に体が痛み出したのだ。
 通り掛かりの人に心配をされたが、問題ないと男は言った。
「何故、お前は嘘をつくんだ」
「俺は嘘をつかなければ死んでしまうのだ」
 まるっきりの嘘だった。
 
 いくら嘘つきであるとしても、痛みに嘘はつけない。
 男は病院に行く事にした。
 しかし、男は医師の診察にも嘘をついていた。
 医師は困り果て、その男を入院させる事にした。
「なんでお前は嘘をつくんだ」
「嘘をつかなければ死んでしまうからです」
 まるっきりの嘘だった。
 
 ある所に、一人の女がいた。
 その女は何でも信じる女だった。
 その女はいくら人に騙されても、裏切られても信じる女だった。
 息を吸う様に信じ、息を吐く様に言葉を信じた。
「なんであなたはそんなに信じられるのですか」
「それが幸せだからですよ」
 女は当たり前の様に答えた。
 
 周りの人はそのお人好しの女を利用したが、女はそれでも人を信じ続けた。
 
 ある日、女は占い師に宣告をされた。
 女は体調が悪く、気分転換にでも占いを頼んだのであった。
 その宣告は病気になるとの事だった。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦。何故そなたはそんなにも鵜呑みにする」
「それが私の幸せだからよ」
 女は当たり前の様に答えた。
 
 女は病院に行く事にした。何でも信じる事が出来ても、自分の体が健康になれるとは信じられなかったからだ。
 医師は入院をさせる事にした。
「あなたは何でも信じてくれて助かります」
「それが幸せだからですよ」
 女は当たり前の様に答えた。
 
 男の入院準備が整い、病室に案内をされた。
 病室のベッドに座ると、隣に人がいることに気づいた。
 女だった。
 たわいも無い挨拶をされ、男は自己紹介をする事にした。
 名前が誰からでも見えるところに書いてあるので、あからさまな嘘だった。
「あなたは何故嘘をつくのですか?」
「嘘をつかなければ死んでしまうからです」
 まるっきりの嘘だった。
 
 女が入院をしてから数日後、隣のベッドに病人が来ることになった。
 男だった。
 たわいもない挨拶をして、男から自己紹介をされた。
 書いてある名前と違う名前であった。
「あなたはどうしてそんなに人を信じれるのかい?」
「それが幸せだからですよ」
 女は当たり前の様に答えた。
 
 男は女が何でも信じるのを良い事に様々な嘘をついた。
 今まであったこと、冒険をしてきた事、仕事の事。
 全てがまるっきりの嘘だった。
 しかし、女はそれを全て信じた。
 
 何でも嘘をつく男と、何でも信じる女は次第に仲が良くなっていった。
 男は、自分の病気が治っても、彼女の所に行く様になった。
 何度も何度も会いに行く内に、男と女は互いに惹かれていった。
 
 ある日、男は女に聞いた。
「なんで君はそんなに俺の言う事を信じるんだい?」
「それが幸せだからですよ」
「なんでそれが幸せなんだい?」
「信じることが出来れば、それが誠になるからです」
 女は当たり前の様に言った。
 
 ある日、女は男に聞いた。
「何故、あなたは嘘をつくのですか?」
「嘘をつかなければ死んでしまうからです」
「何故、死んでしまうのですか?」
「嘘が誠になるからです」
 まるっきりの嘘だった。
 
 男が女の所に通い続けて数ヶ月、男は医師に呼ばれた。
 身寄りのない女と関係があるのは男だけであったからだ。
 男は医師の言葉を聞いた。
「彼女はもう助からないでしょう。あと一ヶ月持てば良い方です」
 男は信じることが出来なかった。嘘をいつも言っていた自分への仕返しではないかと思った。
「本当です。彼女は真実を知りたがっています。あなたの方から伝えてもらえないでしょうか」
「わかりました。真実を伝えます」
 まるっきりの嘘だった。
 
 男は女の病室に向かった。
 こんなにも行く気が起きず、足取りが重いのは始めての事であった。
 伝えなければいけないことがあると言うので、女は男の言葉を聞いた。
「君は絶対に治るから。ずっと俺がそばにいるから」
 女は男が言う言葉を信じた。
「なんで君は俺の言葉を信じるんだい?」
「それが幸せだからですよ」
「なんでそれが幸せなんだい?」
「信じることが出来れば、それが誠になるからです」
 女は当たり前の様に言った。
 
 男は女の為に嘘をつき続けた。
 毎日色んな嘘をついた。
 息を吸う様に嘘をつき、息を吐く様に嘘をついた。
 周りの人々はその男から離れていき、男はそれでも嘘をつき続けた。
 それでも女は信じ続けた。
 
 一ヵ月後、女は亡くなった。
 安らかな笑顔で亡くなっていった。
 
 男は死ぬ間際に女に聞いた。
「なんで君はそんなに俺の言う事を信じるんだい?」
「それが幸せだからですよ」
「なんでそれが幸せなんだい?」
「信じることが出来れば、それが誠になるからです」
 
 女は死ぬ間際に男に聞いた。
「何故、あなたは嘘をつくのですか?」
「嘘をつかなければ死んでしまうからです」
「何故、死んでしまうのですか?」
「嘘が誠になるからです」
 
 嘘か誠か。誠か嘘か。嘘が誠か。誠が嘘か。
 
 男は嘘をついた。女はそれを信じていた。
 ただそれだけのことだった。
 それだけのことが痛かった。
 
 ある一人の男がいた。
 その男は嘘つきだった。
 毎日色んな嘘をついた。
 息を吸う様に嘘をつき、息を吐く様に嘘をついた。
「何故あなたは嘘をつくのですか?」
「嘘をつかなければ死んでしまうのです」
 まるっきりの嘘だった。
 
 しかし、いくら嘘つきであるとしても、痛みに嘘はつけなかった。
 嘘でもそれは誠であった。
 
 
 そして、男は嘘をつく事を辞めた。
 
 
 ある所に、一人の男がいた。
 その男は何でも信じる男だった。
 その男はいくら人に騙されても、裏切られても信じる男だった。
 息を吸う様に信じ、息を吐く様に言葉を信じた。
 
 
「なんであなたはそんなに信じられるのですか」
「それが幸せだからですよ」
「なんでそれが幸せなんだい?」
「信じることが出来れば、それが誠になるからです」
 
 
 男は当たり前の様に言った。


引用:http://www.geocities.jp/kinsate/sousaku.html


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kogen-yasai

Author:kogen-yasai
ご覧いただきありがとうございます。
いつまでも若くありたい今日この頃。
気長に更新しています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
これからの地球にいるあなたに向けて
リンクフリーです。
良かったらポチっとお願いします。

健康と医療ランキング
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。